ネパールカレー
「すいません、お待たせしました…」
本当に待つ事約40分。遂に『ネパールカレー・ククラ』が運ばれて来た。『やっと来たっ!』長かった…完全アウェイの中で特にする事も無く地図を見て見れば『えっ!?まだココかいっ!?』なんて焦りも出て来たりした。でもそんな事はどうでもいい。今目の前には『ネパールカレー』があるのだから…『スーーっ!』僕は早速ニオイ…いや『香り』を楽しんでみる…
「んーこの…ネパールの香辛料の香り…まるで…ん?んん?『ペヤングソース焼きそば』の匂いじゃねぇかぁ!」
これには少し驚いた。まさかここで『あの匂い』に出会うとは…ネパールカレーはルーがサラサラで『ご飯に掛けて食べる』というよりは『スプー ンでご飯をすくいルーに浸して食べる』そんな感じだった。
「どこへどこへ…いただきますっ!」
僕はスプーンでライスをすくい。それをルーに浸す。そして…『パクリッ!』
「んー…」
「………」
「ウマーイッ!」
僕は食のリポーターではないので上手く言えませんが、あえて『彦麻麿』風に言うならば、
「美味いッ!まるでぇ味の古代遺跡発掘やぁ〜」(おっ!でも以外と上手い!)
ネパールカレーなんで昔からあったと思うんですけど、僕は遥々東京から自転車でや って来て遂に発見!そしてその素晴らしさに感動!カレーの辛さも『甘からず、辛からず、うまからず…』(Copyrightダチョウ倶楽部) 違うっ!辛さも程よく本当に美味しかったです!『ネパールカレー・クララ』あっ!違う『ククラ』。是非一度皆様もお試しあれ。
ピャーーーっ!!
「いやぁ~食った食った」
ネパールカレーでお腹も満たされた僕は先を急ぐ。時計を見てみるともう13時を過 ぎていた。
「先は長ぇなぁ…」
自転車に股がりペダルを踏み始めると幸いな事にティハールを出て間もなく道は下り坂になった。何も
しなくても前に進む愛車『ゆに子』。
「いやぁ食後の一服にはちょうどいいなぁ」
緩やかな風を感じながら食後の一時を楽しんでいた。さらにその後も下り坂は続き『ゆに子』のスピード
も上がる。
「気持ちーーっ!フォーッ!」
そしてそんな余裕をかましているのも束の間、下り坂は更に続き『ゆにこ』はグングン加速していく…
「うおぉーっ!速ぇぇぇっ!」
ハンドルを握る手にも力が入る。というのもあまりのスピードでハンドルがプルプルと震え出し始めていた…
「ピャーーっ!恐ぇぇぇ!」
余裕が無いながらも『サイクルメーター』をチラッと見ると『59km/h』との表示されていた。そしてその横では『MAX』の文字が点滅し、この旅の最高時速を示していた。因みに時速59kmは僕の自転車人生においても最速スピード。
「ピャーーっ!小石ふみたくねぇーっ!間違っても…急カーブだけは来んなよっ!」
ほんの少しだけ『下手したら…』的な恐怖心が出て来た。皆さんは…『ブレーキ掛ければいいじゃん?』って思うかもしれない…そりゃそーなんですが、なんでしょう…コレも『男のロマン』なんでしょうか?『あと時速1km/h』に挑戦してみたくなる。…ぬおぉぉぉぉぉーっ!…必要最低限にブレーキを抑える。
「でも恐ぇぇぇぇーっ!」
こんな事を繰り返しながら下り坂を下って行ったが、まだまだ勇気と度胸が無いんだろう…59km/hすらも出ないまま下り坂終了…プロは70,80km/hを出す事を考えると、少しふがい無さを感じた…次あったら出すぞっ!
ロマンティック西伊豆
南伊豆エリアのアップダウンが終わると伊豆半島の西側に出た。
「うーーーっ!みーーーっ!」
そして西伊豆に出てからは比較的緩やかなアップダウンを海を見ながらのサイクリン グとなった。僕の場合はやはり『海を見る』事で力が湧いて来るようで、南伊豆での 疲れはどこへやらペダルをガッチャンガッチャン踏んでいた。
「気持ちーっ!海最高ーっ!」
そして…
「出たーーーっ!富士山っ!」
西伊豆サイクリングの醍醐味である『富士山』が、まだまだ小さいながらも遂に登 場した。9月末の富士山なので山頂に雪はまだ無い、天気も生憎の曇り空で『これぞ富士山っ !』ってモノでは無かった…でも流石『日本一の山』だけあって僕のテンションは更 にあがった。
「おっしゃーっ!沼津まで行ったるでーっ!うぉーりゃーっ!」
そんなテンションで軽快に飛ばすも、それからは富士山がちょこちょこ顔をだす…そ うなって来ると、どうしてもカメラを構えて『愛車と富士山』写真を撮りたくなって しまう…
「おっ!また見えたっ!『カシャ!』」
「あーっ!また見えたーっ!『カシャ!カシャ!』」
ビューポイント・普通の道路脇関係無しに写真を撮りまくった…要はちっとも遅れを 取り戻せない…。そんなペースで走っていると、前方にちょっとした渋滞が出来ているのが見えた。
「事故かいな…?」
自転車の僕は渋滞なんぞは関係無しに先に進む…そして渋滞の先頭を見た時正直驚い た。渋滞の先…そこは『恋人岬』だった…
「えーっ!?世の中の人は渋滞作ってまでここに来るんかいな…」
ここに来るまでも幾つか『岬』はあった。でも車が列を作っているのは『ここ』だけ …
「そんなもんかいね…」
っとこんな事を言っている僕も例外無く、恋人岬に立ち寄り、電車ホームの案内版み たいなやつの前に『ゆに子』を置いて写真を撮った…進行方向は勿論『結婚』に向けて…
トラブル発生っ!!
「あれ…?」
『恋人岬』を後にして間もなくの事だった…。ペダルを踏んでもスピードが乗らない…そして一定の周期で『ポコンッ…ポコンッ…』と後輪からサドルを経由して振動が身体に伝わって来るようになった…
「うわっ…まさか…」
もう8割がたは分かっていた…パンクだ…僕は自転車をおりて後輪のタイヤを確認してみる…
「やっぱり…」
後輪タイヤは既に『ベッコベコ』…空気を入れても堅くなる事は無かった…
「最悪だ…」
午前中の遅れを取り戻そうとしていた僕には『痛恨のパンク』だった。時計を見ればもうすぐ16時。太陽も夕陽になろうとしていた…
「あ”ーっ!もうっ!」
僕は自転車をひっくり返しパンク修理を始める…はやく直さなきゃ!…自転車から後輪を外し、タイヤとチューブをホイールから外して、こんな時の為に備えておいた『スペアチューブ』に取り替えて再度タイヤとチューブをホイールに取り付ける…僕は完全に焦っていた。いつもならスムーズにいくパンク修理も、チューブがタイヤとホイールの間に挟まり、中に入っていかない…
「なんで入んないんだよっ!」
こんな格闘を30分ぐらいしていただろか…
「入れッ!コノヤローッ!」
『プチッ!』
「おぉ!入ったーッ!」
遂にタイヤが綺麗にはまり『スタートがきれるっ!』そう思いながら空気をいれる。
『シュコーッ!シュコーッ!シュコーッ!』
そしてそれと同時に…
『プスーップスーップスーッ』
「えっ?」
『シュコーッ!シュコーッ!』
『スーッスーッ』
全くもって空気が入らない。
「え”ーーっ!パンク!?」
マサかのマサカだった。あの『プチッ!』は僕があまりにも強引にチューブを入れたが故にチューブに穴を開けてしまった音だった…僕は自動車を眺めていた…そこには空気の入らないタイヤがある…この瞬間これまで考えた事もなかった事が頭をよぎった…
「もしかしたら…達成できないんじゃないか…」