Do More with Less

先日手に入れたThe North FaceのTシャツ。
胸元に小さく添えられた言葉に、心がピタリと静まった。

Do More with Less.

ミニマリズムを象徴するこのフレーズ。
久しくガジェットやBlackBerry系の投稿が続いていたけれど、
その一文が、少し置き去りにしていた“原点”を思い出させてくれた。

モノを減らすこと。
それは単なる整理整頓ではなく、自分にとって何が本当に大切かを見つめ直す行為だと思っている。

例えば、部屋の隅に眠っていた古いモバイルバッテリー。
高かったけど使わなかったヘアケア用品。
過去の旅先の名残が詰まったチケット類。
かつての自分には必要だったけど、今の自分にはもう役目を終えたものたち。

それらを手放すたび、心の中にも風が通るような感覚がある。
スペースが空くだけでなく、判断力まで研ぎ澄まされていく。

僕にとってのミニマリズムは、徹底的にモノを削ぎ落とすものではない。
“好き”や“心が動くもの”にはむしろ積極的でいい。
でも、それ以外は潔く退場してもらう。
その線引きを、日々少しずつアップデートしていくような感覚。

「たくさん持っている=豊か」ではなく、
「必要なものがすぐに手に取れる=心地よさ」だとしたら、
少ないことはむしろ、自由を生む。

特にガジェットとの付き合い方は、ミニマリズムを試される分野のひとつ。
僕はBlackBerryという“少数派の美学”に惹かれるタイプだけど、
だからこそ、それ以外の選択肢に無駄がないように意識するようになった。
お気に入りに囲まれること。それは無理をして数を絞ることとは違う。
余白を持たせることで、“選ばれしモノ”の輪郭がより際立つのだ。

そして今また、この波が静かに押し寄せてきている。
言葉にすれば、それはとてもシンプルだ。

「少なく持って、豊かに生きる。」

そのシンプルさにこそ、今の僕は惹かれている。
好きなものだけを残して、それ以外は手放す潔さ。
そして、日常に少しずつ余白を戻していくことで、
新しい気づきや、本当にやりたいことが浮かび上がってくる。

Tシャツ一枚から始まったこの感覚の再起動。
きっと、またしばらくこの波と一緒に過ごしていくと思う。

必要なものは、思っているより少ない。
けれど、その少なさが、驚くほど豊かさを連れてくる。